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大方成功 [いつも寝言]

「かなり成功かも」

やっぱり気になって眠れなかったので、仕事着に身を固めて外に出た。長そで長ズボン、帽子に地下足袋に頬かむり。蚊対策として手や耳に蚊よけの薬を塗り、スコップと草削りと移植シャベルと水道につないだホースを持って、下水道のふたが集中している裏庭に出た。

土に埋まっている蓋をひっかきだし、なんとかして蓋を開け、かなりの勢いで放水したが、そこから直接においはしない。なにしろ、裏庭には家の中の設備から流れる水を受ける配管と、市の下水道のマンホールが知っているだけで7個もある。市の下水道のマンホールは私には機材がないから動かせないような丸い大きいのが一つと、手で簡単に開けられる四角のが3個ある。庭の一番端のを除いて、他が全部土に埋まっているので、見つけるためには、土掘りから始めなければならない。このところ穴掘りをいくつかやった後だから、土が柔らかくなっていて、そう苦労しないのだけど、掘り当てた7個の穴を覗いて、放水しても、大した効果がなかった。

というのは、トイレから匂っているのと同じ強烈なにおいが、放出する穴がないのである。トイレはきれいに洗ってあるし、トイレだけからあんなに老いが発生するわけがない。どうしてもにおいの元凶がどこかにあるはずだ。

私は極力台所からでるゴミには気をつけている。河川を汚すまいと考えているのだが、河川より前に、自分の家の台所がにおうのは、なんとしても不潔感があって、たまらないから、調理に使った鍋もフライパンも直接水につけないで、必ず紙で拭きとっている。食器も舐めるように食べてから、紙で拭きとり、洗剤を使う必要もないほどきれいにしてから洗うので、台所からの排水溝はきれいだった。臭いのもとは、これではない。

掘り起こした時に出て着た土を片づけながら、もしかしたらどこかに、もう一つ、排水溝が隠れているかもしれない、と思った。家の外壁をつらつら眺め、ふろから来る排水管の通る蓋を見つけて、そこも水を通したが、大した汚れはない。1階のトイレがあるところの近くに、もしかしたら、もう一つ蓋が埋もれているかもしれない、と気がついて、トイレに近いところの土をひっかき始めた。

そうしたら、出てきたのである。土をどけて、蓋の両側にあるくぼみから詰まっていた土をひっかきだして、そこを開けた。

ぎゃーーーーーっ!!

臭気の元凶がみつかった。あれは菌と呼べばいいのか、カビと呼べばいいのか、灰色のぬらぬらした塊がべっとり排水溝の中側を占めていて、ぶくぶく泡を立て、発酵しているのである。ホースを最強の直水状態にして放水した。汚水が顔に吹き上げ、服を濡らし、ズボンは泥だらけになって地下足袋の中までぬれた。

とにかくとにかくやっつけろ!!負けてたまるか、こん畜生!!体中汚水にまみれて、私は朝から戦った。

庭に置いてあるたわしを持ってきて、腹ばいになり、ほとんど排水溝に頭を突っ込んで、しつこい汚れをこそぎ取り、外から見たらすごいだろうなと思われるような姿になって、やっと一休止。ふろに直行したいが、風呂までの間だって、足から体中汚れているので、そのまま絨毯を汚すわけにいかない。

いいや、誰も見てない。縁側で汚れたズボンと靴下を脱いだ。それでやっと風呂に直行。頭から足まで洗い、ドロドロの衣類を洗濯機に放り込み、やっと息をついた。

でも、これで大方成功。様子を見て、明け方見つけた「全国トラブル解決ネット」に電話しよう。

案外まだ、私はやれるんだなあ、と、自ら感心して、なんだか、満足だった。




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